保育士は残業が多いの? 公表されている平均残業時間と実態を紹介
厚生労働省が発表している保育士の残業時間は1か月で4時間です。
但し書きとして、
「超過労働時間とは事業所の就業規則などで定められた所定労働日における始業時刻から終業時刻までの時間以外に実際に労働した時間数及び所定休日において実際に労働し
た時間数のことです」
と記載もあり、間違いなく残業時間の意味です。
単純計算で週1時間、1日12分となります。
残業が多いという不満をもらす人が多い保育士の残業時間としてはあまりにも少ないですよね。
現役保育士の人はこの結果をどう思うでしょうか?
保育士の残業の実態
保育士は定着率が低く、その労働環境が近年問題視されています。
賃金の安さ、労働時間の長さ、残業の多さなど働く女性が増加するにつれて深刻な問題で社会問題となりつつあります。
しかし、この“社会問題”は、厚生労働省が発表した残業時間1か月4時間と矛盾します。
実働8時間と1か月4時間の残業で、労働時間が長すぎて残業が多すぎる問題となるわけがありません。
残業が多いとされるこの問題はサービス残業の多さにあります。
厚生労働省が発表している1か月4時間のデータは、実際に支給されている残業代から計算されています。
つまり、実際はもっと働いているのに手当がついていない仕事が多いという問題があります。
保育士の仕事は子供を預かることです。子供を取り巻く環境にイレギュラーが発生すれば仕事が増えるし、行事がある場合は準備などで仕事が増えます。
サービス残業が増えてしまう仕組み
しかし、子供を預かる時間=保育士の勤務時間という風習が根強く残っており、準備の時間などは子供がいない時間=勤務時間外とみなされてしまうこともまだまだあるので
す。
子供がいる時間が保育士の業務時間だとすれば、実際数多くのサービス残業が発生しています。
その例として持ち帰り仕事が挙げられます。その名の通り、子供がいない時に準備することで手軽に持ち運べるものを持ち帰って自宅で作業することです。
もちろん自宅でしていることなので、お給料は出ません。
例えば、毎月あるお誕生日会のお誕生日カードを自宅で用意をすることなどです。
保育士の仕事の中には子供の為に準備物を用意する必要があります。
こういった作業は子供がいる前ではすることができず、子供の帰宅後や自宅で行うことが多く残業代がつかない場合が多くあります。
他にも日報を書いたり、日々の清掃や片付け、保育計画の策定などは保育をしながらすることはできないのです。
多くの場合、その施設があいている時間に合わせてシフトが組まれます。
例えば、8時から20時まで空いている施設であれば早番が6時から15時、中番が8時から18時、遅晩が10時から20時などといったようにシフトが組まれます。
実際に8時から20時まで子供がいるとすれば、子供がいる時間にできない仕事は沢山あります。
さらに、早朝保育や延長保育が入ってしまい保育時間自体に延長が発生する場合も多いのです。
もちろんきちんと環境が確保されている保育施設もありますが、まだまだ保育業界にはこのように常に業務に追われ、その溢れた仕事を残業という形でカバーするという現状
も根強く残っているのです。
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